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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

長寿命化推進税制が2年延長になる



 2024年9月27日の廣田信子さんの表題のブログを紹介します。


「国土交通省が2025年度の税制改正要望をまとめました。その中で令和7年3月31日までに長寿命化工事の2回目以降を実施していることが条件だったマンション長寿命化促進税制を2年延長することを要望しました。

 この税制は管理組合のニーズが強くて、期間が短すぎて使えないとう苦情が多かったものです。

間に合わないと言っていた管理組合にとっては朗報です。この減税制度は、築20年以上かつ10戸以上で管理計画の認定を受けているマンションが対象です。管理計画の認定基準未満から認定基準以上に修繕積立金を引き上げた場合のみ減税の対象となります。長寿命化工事とは、屋根防水工事、床防水工事及び外壁塗装工事を言い、これらを過去に1回以上実施していて、令和7年3月31日までに2回目以降の工事を完了していることが条件です。それと、長期修繕計画に係る助言又は指導を受けて長期修繕計画の作成又は見直しを行い、長期修繕計画が一定の基準に合致することになったものも対象となります。


 これによって、各区分所有者が翌年度支払う固定資産税(建物部分のみ)を1/2~1/6の範囲内で減額するというものです。減額割合は居住地の自治体の条例で決定されます。工事完了後、3か月以内に市町村に申請し、工事完了日の翌年1月1日までに管理計画の認定を取得することが必要です。今回の改正要望では、この条件はそのままで、2年後の令和9年3月31日を期限とすることを要望しています。

 これによって、対象となるマンションが増えます。税制の活用は6月末時点で、56管理組合で行われていると言います。最初なかなか使えないという声が多かったので、この実績にはちょっとびっくりしました。これから延長要望が受け入れられることになると、また実績が積み重なるのではないかと思います。

 管理計画認定マンションは7月末で1000件を超えました。その勢いはまだ続いています。一覧サイトでは、7月から、マンション名と住所だけでなく、マンションの了解が得られれば、竣工時期、住戸数、構造、階数も公開されています。それによって、登録マンションのことがよくわかります。

管理計画認定の申請に長寿命化促進税制を必要とする役員の方の気持ちも分かります。

 メリットが分かりやすく区分所有者全員にあるからです。」


 長寿命化促進税制は、大規模修繕工事を行うと各自の固定資産税が安くなることのみがアピールされ、注目度は高いですが、詳しく説明をすると、それほどメリットもないとおっしゃる方がほとんどです。高松市の場合、マンションの建物部分の固定資産税は年間6万円程度なので、3分の1が還付されると、2万円が却ってくることになります。

 一方、この制度を利用するためには、管理計画認定制を取得し、そのために修繕積立金を値上げする必要があります。延床面積5000㎡以下のマンションであれば㎡あたり235円以上の修繕積立金に値上げする必要があります。72㎡の3LDKであれば月々16,920円以上の修繕積立金が必要です。還付金2万円をもらって尚且つ金額的にメリットを出すためには、月々1600円以下の値上げでないとメリットは得られません。現状の修繕積立金が15,320円以上であればメリットがありますが、現状の修繕積立金がそれ以下の金額だと、修繕積立金の値上げ以上のメリットはないことになります。ここまでの説明をすると、大体の管理組合員は、あまりメリットを感じないという話になります。ブログの中にも書かれているように、管理計画認定制度の取得は約1000件ありますが、長寿命化促進税制を使ったマンションは56件と、5.6%しかありません。

 現在、管理計画認定制度を取得しているマンションは、修繕積立金が既に管理計画認定制度の基準を満たしているマンションがほとどんでです。そのため、長寿命化促進税制の制度を受けられないという現状もあります。


 固定資産税減税を餌に、管理計画認定制度の取得促進を目指す今回の国の施策は、少しあざとい施策に思えて仕方ありません。


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