2023年9月28日のアサ芸ビズの表題の記事を紹介します。
「市場全体では好況な建設業界。だが、その一方で今年に入ってから倒産する企業の数が増えており、帝国データバンクによると23年に倒産した建設会社の数は8月末時点で1082件。昨年の1204件を超えるのは確実視されており、同社によると、このペースで推移すると年内の建設業の倒産は1600件を超え、過去5年でも最悪になるという。
この倒産ラッシュの大きな原因となっているのが、建築資材の高騰。業界団体の一般社団法人建築物価調査会が公表する「建設資材物価指数」によると、20年9月から今年8月までの約3年間の上昇率は21.8%。食料品や日用品とは比べ物にならないほど価格が上がっており、経営を圧迫しているようだ。
「新型コロナが流行した20年以降、世界的に建築需要が急増し、ウッドショックやアイアンショックと呼ばれる木材や金属の不足が挙げられます。しかも、コロナが沈静化しても今度はウクライナ情勢の影響でロシアからの輸入が止まっている状態です。さらに原油相場の上昇で輸送コストが膨らみ、為替円安の三重苦に陥っている。このように未曽有の資材高になっているのに、発注者に契約金額変更を申し出ても断られるケースも多く、価格転嫁できていないのです」(建設業界紙記者)
また、現場で使用する重機や建設機械も世界的な半導体不足の影響もあり、ここ数年で20%やそれ以上のペースで高騰。そのため、経営体力の弱い中小の建設会社はこの状況を乗り切ることができず、仕事があるにもかかわらず倒産に追い込まれているという。
「すでに多くの現場で工期の長期化、ずれ込みが生じています。一番厄介なのは一戸建て住宅の建設を請け負った中小の工務店の倒産。以前からの慢性的な人手不足もあり、工事を引き継いでくれる業者を確保するのは簡単ではないからです。このまま資材の価格上昇が続けば、事態はさらに悪化するでしょう」(同)
今後、マイホームを建てる計画がある人は、そのあたりもしっかりと検討すべきだろう。」
先日聞いた話では、新築工事で従来から1.5倍、改修工事で1.2倍の価格高騰になっているそうです。特に、新築工事では受注から工事完了まで2年程度かかることも多いです。下請け工事業者への発注は、工事を進めながら順次行っていくため、後になるほど発注金額が高くなり、受注時の利益が確保できない。あるいは赤字になるケースも多いようです。
工事に係る職人さんも高齢化により人手不足となっており、建設業界はますます厳しい状況です。
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