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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

建物調査にコンクリート中性化試験・タイル、塗装付着力試験は必要?



 先日見積もり依頼のあった大規模修繕工事のコンサルタント業務の項目で、建物劣化診断の項目に中に、コンクリート中性化試験・タイル接着力試験・塗装付着力試験を実施することという内容がありました。

 マンションの修繕委員の人達が、どこかのコンサルタントに内容を確認したか、過去の他マンションの実施項目を転記したのだと思います。個人的には、ここまで必要?と思ってしまいます。

 3回目の大規模修繕工事等、築年数が古いマンションであれば100歩譲って、まあ実施しても良いかと思います。築30年未満の2回目のマンションでは、全く必要にない診断項目だと思います。


 人間に例えると20代から30代の若者に、骨粗しょう症の検査を勧めるようなものです。

タイル接着力試験は、外壁タイルの健全部を選んで実施されますので、基本的にNGになることはありません。また、塗装付着力試験は実施しなくても、築年数が古くなって、塗装の接着力が劣化しているマンションは、外観を見れば、外壁のいたるところで、塗装のはがれや膨れが発生しており、塗材の剥離から始めないといけないのは明らかにわかります。

 またコンクリート中性化試験も塗装やタイルでコンクリートが覆われているため、中性化の計算式よりも劣化が進んでいることはありません。


 それでは、何故このような無意味な検査を実施させるのでしょうか?


 設計会社が管理組合からコンサルタント費用を多く徴収するためとしか思えません。普通の劣化診断であれば、目視や打診調査なので費用は人件費程度ですが、これらの精密診断を実施するためには、調査会社に外注する必要があり、最低でも30~50万円程度は必要です。また、実際に、コンクリートに穴を開けたり、タイルを剥離したりするので、マンションの躯体を傷付けることになり、補修費用も必要になります。


 マンションの居住者にとっては、修繕積立金の無駄遣いになり、建物も傷める、これらの調査を、自分の会社の売上アップのために、平気で進めるコンサルタント会社の対応に不審が募ります。コンサルタント会社はもっと真摯に、居住者のメリットになるよう努めるべきだと思います。


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