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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

大規模修繕工事前の劣化診断、タイル全面打診は必要?

更新日:11月11日



 先日、あるマンションの修繕委員の方から、「大規模修繕工事前に外壁タイルの全面打診は必要ですか?」という問い合わせがありました。相談者は、見積もり時にタイル修繕の㎡数が分からないと、工事が発注できないと困っていたようでした。


 一般的に大規模修繕の場合、見積もり時のタイル補修数量は、タイル浮き注入が外壁タイル面積の4%、タイル張替え面積は外壁タイル面積の0.5%というような、過去のマンションの実績を元にした数量で見積書を作ります。実際に工事が始まってから、全面足場を設置し、全面打診調査を行ってから、実際のタイル補修数量を決定します。(塗装面のひび割れや、爆裂補修、天井・壁面の塗膜剥がれも同様)当然、当初の見積もり時の㎡数とは異なりますので、その部分には追加増減を行い、工事費を実数清算で調整します。数量減の場合は工事金額が下りますが、数量増の場合には、工事費が増額になるので、あらかじめ施工会社への発注金額の10%程度を予備費として計上し、工事費にプラスして総会決議を得ておきます。

 この劣化調査(マーキング検査)が終了し、理事会の決議を経て、初めて工事費が決定します。

この過程を説明して、相談者は納得されました。


 大規模修繕工事前に、工事費の確定が必要だと、全面打診を主張される組合員の方もいらっしゃいますが、上記過程を理解されれば、100万円以上の費用をかけて、外壁の打診調査を行う必要がないことは理解いただけると思います。また、実際にタイルの全面打診調査を実施しても、劣化診断時から、実際の工事時までには1年超のタイムラグが発生し、タイル浮き面積がその間に増えることも考えられます。

 大切な修繕積立金なので、無駄遣いせずに、有効に活用したいものです。


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