今回は、どうやって大規模修繕を始めるかのお話です。最近の熱心な管理会社は、長期修繕計画に従って、そろそろ大規模修繕の時期ですよ。と理事会に提案してくれるケースもありますが、管理会社の一担当者としては、業務量が増えるため、出来ればやりたくない業務が大規模修繕工事です。理事会の役員も、自分の仕事で忙しいのに、手間暇のかかる大規模修繕工事なんかやりたくないのが本音。誰も言い出さないため、大規模修繕工事が実施されず、老朽化が進んでいるマンションも多くあります。
では、どうやって大規模修繕工事を行うか、まずは理事会の議題に揚げてもらう必要があります。年に1回の総会でもいいし、一番確実なのは自分が理事になった時に、そろそろ大規模修繕工事の検討を始めませんか?と提案すること。自分たちの住んでいるマンションは、自分たちで住みよくする。という強い決意で望めば賛同者も増えてきます。
理事会での検討事項は、工事の実施時期(令和〇年度中に工事を実施する)・予算(総額○○万円を上限とする)・実施方法(修繕委員会を立ち上げ、外部専門家として○○コンサルタントに○○万円で業務委託する)等を決定し、次回年次総会で決議を取ることがメインになります。実施時期・実施内容検討のため、建物診断を実施するケースもあります。その場合は診断費用の計上も必要です。
それでは、実施時期・予算・実施方法について具体的に見ていきましょう。
実施時期について
一般的には2年後を実施時期とすることが多いです。理由は次回総会で、大規模修繕工事実施の決議を取り、次々回の総会で、具体的な施工業者・工事金額の決議を得て工事を実施するため、最低2回の総会が必要になるため。臨時総会を開き決議すれば、時間の短縮も可能です。工期は平均で4か月程度、複数棟ある場合や、規模が大きい場合の工期は6か月から1年以上かかることも多いです。また時期的には、春工事(4月~8月)、秋工事(9月~12月)が一般的です。休みの長いお盆または正月までには、足場を撤去したいとの要望が多いですが、この時期は工事が混み合うため、工事費が高くなる傾向にあります。業者選定時に安くなる時期で見積もりを出してもらうのも賢いやり方だと思います。
予算について
第1回目の総会で決議する予算は、準備に必要な金額になります。具体的には、建物診断費用(実施する場合)、外部コンサルタント委託費用、管理会社委託費用(大規模修繕工事準備等の事務費用は通常契約には含まれていません)、修繕委員会を立ち上げた場合の修繕委員への謝礼等。概算でいいので、余裕を持って上限金額を決めておくと、後々の活動が楽になります。
実施方法について
実施方法については大きく分けて二つの方法があります。一つは管理会社主導方式、今までの管理の延長で、大規模修繕工事も管理会社にお任せするやり方。管理会社との関係が良好で、20戸程度の規模が小さいマンションにお勧めです。すべて管理会社にお願いするため、手間暇はかかりませんが、その分高額となります。
もう一つが設計監理方式、修繕委員会等を立ち上げ、工事する部位、改修方法等を決定し、数社の工事会社から見積もりを徴収し、業者を決定する方法。手間暇はかかりますが、工事金額は安くできます。この場合、準備に手間暇がかかることや、外部専門家の意見を聞くということで、大規模修繕コンサルタントに業務委託するケースも増えてきています。
快適マンションパートナーズでは、最初の準備段階からお手伝いを行います。大規模修繕工事を実施したいけど、どうやったらいいか判らない。そのような場合でも、お気軽にご相談ください。
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