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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンション共用部火災保険の見直し



 私の住んでいるマンションは今年の6月が共用部の火災保険の見直し時期です。

 昨今は地球温暖化の影響により、自然災害が増え、火災保険も値上げが続いています。従来であれば、更新時期が近づいてから、どこの保険会社に保険を依頼するか検討していたのですが、今回は理事会活動の一環で、前期の理事会にて、火災保険の見直しの協議を行いました。


 まずは、前提条件となる保険の契約条件の検討を行いました。私の住んでいるマンションは6棟の団地型マンションなので、各棟が現在加入している保険の比較表を管理会社に作成してもらいました。

 比較表で注意したのは付保割合と付加サービスです。まず付保割合で見ると、55%~80%と、棟によってバラバラです。


 ちなみに付保割合とは、対象物件の評価額に対して、何%までを火災保険で補償するかという割合のことです。火災保険では、建物が全焼した場合、それと同じ価値の建物を再築するために必要な金額のことを再調達価額と呼んでいます。

 火災保険に加入する際には、一般的にこの再調達価額を限度に保険金額を決める必要があります。 この再調達価額の中で、何%を火災保険で補償し、何%を自分(契約者)が負担するのか設定することができます。このときに設定する割合のことを付保割合といいます。

 マンションは耐火性が高い建物で、1住戸で火災が発生しても隣戸への延焼はほとんどありません。仮に上下左右斜めの住戸に延焼したとしても全部で9戸分です。私の住んでいるマンションは96戸なので、個人的は付保割合10%でも良いと思ったのですが、協議の結果、付保割合を30%に設定しました。


 次に、付加サービスについて検討しました。各棟の内、1棟のみが水災のサービスを付けていませんでした。水災とは、台風・暴風雨・豪雨等により洪水・土砂崩れ等の水害や、床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水が発生した場合で、共用部に被害が発生した場合に支払われる保険金です。ただし専有部分の被害や駐車場に駐車している車は対象になりません。

 高松市のハザードマップを確認したところ、マンションの所在地は浸水エリアには入っていないため、今回は私のマンションも水災は加入しないことにしました。また保険代理店からは、免責を付けると保険金が安くなるとの提案を受け、5万円の免責を付けることにしました。免責とは、保険を使って修繕をする場合、その金額だけは、組合で払う必用のある金額です。免責5万円とは、保険事故が発生した場合に5万円は組合が支払い、それ以上のオーバー分が保険金から支払われることになります。


 個人的には、地震保険も不要だと思っています。新耐震マンションであれば、震度7程度の地震がきても、良くて一部損壊の5%、もしくは破損なしで保険金が支払われないケースも多いので、掛けるだけ無駄だと思っています。ただ、他の理事の方はやはり不安に思っているようで、地震保険は従来通り加入することにしました。


 その他では、専有部の上階からの漏水の保証する個人賠償責任保険については、万が一、個人で専有部の火災保険に加入していない人もいることを考慮して、従来通り加入することにしました。

また保険期間は最長の5年間としました。


 上記内容で掛ける保険の条件が決定したので、次はどの保険会社に加入するかの検討を行いました。

 保険代理店が取り扱っている大手保険会社3社(損保ジャパン・東京海上日動・三井住友海上)と、日本マンション管理士会連合会の実施するマンション管理適正化診断サービスを受けて、管理状況が良好だと判断されれば火災保険の掛け金が安くなる日新火災の4社に上記の同条件で見積もり依頼を行いました。またその為に、マンション管理適正化診断サービスを受け、最高ランクのS評価の認定をいただきました。


 従来の保険は損保ジャパンで1年間の保険料は91万2492円でしたが、見直し後は、東京海上日動が81万5426円。日新火災が82万4426円。損保ジャパンが115万7062円。三井住友海上が118万4790円となりました。

 この結果を受けて、来期の総会には、更新会社として一番安価だった東京海上日動を上程予定です。

 保険の加入条件を見直すことで、火災保険の値上げが多い中でも、従来から年間約10万円の値下げを行うことができました。また当初は、管理状況でSランクを取得した日新火災が一番安くなるのでは?と思ったのですが、築15年以上のマンションで給排水管の更新・更生工事を行っていないため、保険金が思ったほど下がらなかっただと思います。


 保険が更新時期になり見直しを検討しているマンションにお住まいの方は、是非参考にしてください。

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