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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

「まさかタイルが」マンションの外壁トラブル増加



 前回に続いて、外壁のタイル剥離の問題です。2019年11月17日の朝日新聞デジタルの表題の記事を紹介します。


「マンションの外壁にあしらわれたタイルがはがれ落ちるトラブルが増えている。「施工不良が原因」として、住民らが施工会社に修繕費を求めて訴訟に発展するケースも。業界団体からは「コストを抑えようと工程を簡略化している会社もある」と指摘する声が出ている。

 「まさかタイルが落ちるなんて」。神戸市内にある分譲マンション(2005年完成)の管理組合元理事長の60代女性は憤る。

 旅行で訪れた神戸の街が気に入り、数年前に中古で購入。東京の一戸建て住宅から引っ越し、人生初のマンション暮らしを始めた。

 約250世帯の回り持ちで組合理事長になった後の15年3月、14階付近の外壁タイルが幅約1・5メートルにわたってはがれ落ちた。緊急の理事会が開かれ、女性が代表として販売会社に補修を求めたが、「原因は経年劣化」と拒否された。

 組合で建設会社に依頼して調査したところ、17年6月時点で外壁全体の約15%に破損や浮きなどの問題が見つかった。補修工事費の見積額は約1億7千万円。当時の修繕積立金では足りず、組合名義で金融機関から1億円を借りた。毎月集める修繕積立金から返済している。

 組合は17年12月、販売会社と施工会社などに補修工事費など約2億4300万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。現在は建築の専門家を交えて話し合いによる解決を目指す調停手続きに切り替わり、今夏には裁判官らが現場を訪れて破損状況を確認したという。

 女性はこうした対応のため、通常は任期1年の理事長を計2年務め、理事会や住民説明会などの対応に追われた。毎日の楽しみだった趣味の料理に時間を割けず、外食をする日も。「心豊かに晩年を過ごしたいと思っていたのに、ほど遠い生活になってしまった。販売会社がタイルが落ちた時点で話し合いに応じ、責任を認めていたら問題は長引かなかった。マンションの資産価値が下がらないことを願うばかりです」

 堺市のマンション(06年完成)も17年5月、9階建ての5~6階の間の外壁タイルが落ち、調査でタイルの約16%に問題があるとされた。施工会社側は責任を認めず、50代の男性オーナーは年内にも施工会社に損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こす。男性は「入居者にあたってけがをしたら、全責任をかぶることになり不安だ」と語る。


難しい落下原因の見極め

 住宅のトラブルに関する相談を受け付ける「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(東京)によると、マンションなど共同住宅の外壁がひび割れたり、はがれたりしたとの相談は2008年度は44件だったが、18年度には3倍以上の149件にのぼった。

 外壁タイルはデザイン性が高く、建物のコンクリートを保護する効果もあるとされ、現在は多くのマンションで採用。10~15年ほどで実施する大規模修繕で、経年劣化するなどしたタイルを補修することが多い。

 近年のタイルをめぐるトラブルについて、タイルの施工業者などでつくる全国タイル業協会(名古屋市)技術アドバイザーの長谷川哲也さんは「施工不良が原因となっている建物も少なくない」とみる。工期短縮とコスト抑制のためモルタルを下地に塗らず、コンクリートに直接タイルを貼る工法だと短期間ではがれる可能性があるという。

 だが、落下原因の見極めは難しい。大阪地裁の高嶋卓判事(当時)は17年、法律雑誌で判断の目安を公表した。築年数に応じて外壁の破損割合について、施工5~10年以内は3%以上▽10~15年以内は5%以上▽15~20年以内は10%以上の破損がある場合、施工不良が推認されるという基準を提示。今後、裁判で重要な指標となる可能性がある。

 堺市のマンション所有者の代理人を務め、1級建築士の資格を持つ福島敏夫弁護士は「業者側が販売時などに施工方法を丁寧に説明することが必要」と指摘。施工会社が交渉段階で施工不良として責任を認めるケースも増えてきているといい、「トラブルになっても泣き寝入りせず、専門家に相談してほしい」と話す。」


 前回のブログに続き、マンションの外壁タイル剥離問題の話です。マンションの大規模修繕工事でも、一番問題になるのが、計画数量よりも大幅にタイルの剥離が増えた場合です。この記事にもあるように、10%を超える面積のタイル剥離があるのであれば、施工不良を疑い、元施工のゼネコンに、申し入れ等を行うべきだと思います。


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