朝晩の冷え込みが厳しくなり、暖房器具を使用するような季節になると、窓ガラス等の結露が気になりだします。マンションは一戸建て住宅よりも気密性が高いために、結露が発生しやすい住宅です。今回は、そんなマンションの結露対策のお話です。
結露のメカニズム
結露とは空気中の水蒸気が、冷たい部分に触れると水になる現象です。ガラスのコップに冷えた飲み物を入れると、ガラスの表面に水滴が付きますが、空気中の水蒸気が冷たいガラスに触れて水になったのであり、それが結露です。ガラスのコップを窓ガラスだと考えてください。結露が発生すると木製の窓枠が腐ったり、カビが発生し、カビを餌にするダニが発生したりと、色々な問題も起きてきます。
水蒸気を発生させない
対策の一番目は、水蒸気を発生させないことです。結露を発生させているお宅に訪問すると、石油ストーブや石油ファンヒーターを使用しているお宅が多いです。灯油は燃えると灯油に含まれる水分が水蒸気となって部屋中に広がります。乾燥対策で石油ストーブの上にヤカンを置いていたり、加湿器を設置していたりすると、ますます部屋中の水蒸気が増え、結露が発生する確率が高くなります。暖房をエアコンに変えるだけで結露が発生しない場合も多いです。最新型のエアコンであれば、灯油代よりも安価に暖房ができます。
温湿度計を設置し、部屋の湿度を上げないように気を付けて生活するのも結露対策には有効です。
換気を励行
水蒸気が発生しても適度に換気すれば結露は防げます。最近のマンションは24時間換気システムが設置され、以前よりも結露のクレームは少なくなりました。24時間換気システムを設置していないマンションでは、お風呂の換気扇を24時間運転することをお勧めします。
朝の掃除時間と、夜寝る前の、最低1日2回は、5分でいいので窓を開けて部屋中の空気を入れ替えましょう。換気は北側と南側の2か所の窓を開けることが重要です。換気はコロナ対策にも有効だと言われています。特に鍋物等をしたときは、窓を開けての換気は有効です。
雪の積もっているような寒冷地の方で、外の空気のほうが湿度が高いから換気しないという方もいらっしゃいますが、湿度は温度で変わります。(相対湿度)
外気温0度で湿度100%の空気でも、室内に取り込み20度まで加温すると、湿度は28%に下がります。冬場の換気は結露対策として有効です。
リフォームでの対応
建物の断熱性を上げることで結露を減らすことも出来ます。マンションの場合、サッシの窓ガラスは共用部のため個人で勝手には変えられません。サッシの内側にもう一枚樹脂製のインナーサッシを取り付けて、窓ガラスに発生する結露を減らすことは可能です。古いマンションでは、大規模修繕工事のおりに、全戸のサッシを交換してペアガラスに変更することも可能です。
また、リビング壁面等にエコカラット等の吸放湿性のある建材を取り付けることも、結露対策としては有効です。
まとめ
コロナ対策でも換気の重要性が見直されてきました。壁の給気ガラリやサッシのエアブレスは常に開状態にして、24時間、換気扇を運転させるだけでも、コロナ対策にも、結露防止にも有効です。まずは換気から始めてみませんか。
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